季節別魚情報
旬の魚情報

富山湾は、暖かい対馬海流と冷たい日本海固有水(深層水)で満たされているため、暖流系と冷水系の両方の魚が棲める環境となっており、富山湾には約500種もの多種多様な魚が生息しています。
その中から、「富山県の魚」にもなっている「ホタルイカ」と「シロエビ」がちょうど旬を迎えていますので、今回はこの2つの魚をご紹介しましょう。

藍瓶の海に舞う白い乙女たち 「シロエビ」

シロエビ・流れ続ける4つの川が漁場を作った
富山湾には六つの大河が注ぎ込んでいますが、その中でも神通川は長さ126キロメートル、下流の笹津付近から大扇状地を形成して富山平野を作っている川で、延長上には神通海底谷を刻みます。
庄川は長さ133キロメートル、上中流域には合掌造りの民家で知られる白川郷や庄川峡があり、下流に砺波(となみ)平野を形成する川。また、小矢部川は長さ68キロメートル、石川県境の大門山に流れを発して北流し、富山湾に注ぐ川で、河口には伏木富山港をのぞみます。
常願寺川は、「氾濫にならないよう常にお願いした」という意味合いから常願寺川と名づけたといわれるほどの暴れ川。標高2400m付近からわずか56Kmの距離で流れる川は世界での例がなく、今から約100年前、治水対策に招いた政府の顧問であったオランダ人技師デレーケは、常願寺川を見て「これは川ではない。滝である」と驚いたそうです。
富山県のこの4つの大河は、いすれも勇壮な北アルプスや飛騨・白山山脈にその流れの源を発し、それらの山々の清澄で豊かな水を得て流れ続け、恵みの平野を広げ、漁場を作り大海へと流れ出ていくのです。

・深淵の海「藍瓶」に群れる白い姿
この4つの川の河口付近、富山湾の水深300メートルから600メートルに形成される独特の海谷は、古くから、この地域で<藍瓶(あいがめ)>と呼ばれている海域。
神秘の深淵さを持った、深く、そして濃い監色の瓶にも似た海‥‥何ともファンタジックでミステリアスな海の名前ではありませんか。
富山湾特有のシロエピ漁は、この幻想的な海谷・<あいがめ>に群泳するシロエビの漁。
春から秋にかけての季節、富山湾の漁師たちは、このシロエビを獲りに<あいがめ>へと小型底曳網漁船で朝早く向かうのです。

・シロエビの豊穣な味わい
シロエビは別称を<ヒラタエビ><シラエビ><ベッコウエビ>とも呼ばれる、白く静かに光る水晶にも似た、透明で瑞々しい、小さな姿を持ったエビ。
その体長は7cmほどで、富山湾をはじめ、駿河湾や相模湾などに棲む日本近海の特産種で、水深100〜600メートルくらいの深い海に群泳しています。ただ、漁業として成り立つほど獲れるのは富山湾だけで、ほのかで上品な甘みと香しい海の香りを含んだ至上の味を持ったシロエビは、全国的にも知られつつあります。
富山の人々の恵みの平野や漁場を作る4つの大河の河口に、深淵と神秘の海谷・<あいがめ>を得て美しく群泳するシロエビは、まさに<あいがめ>の海に舞う、富山の白い乙女たちです。


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